(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2006-314185(P2006-314185A)
(43)【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
(54)【発明の名称】吉野・タイム・マシン・システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面、要約書、明細書、外国語スペシフィケーションによって示唆さる、無限も含めた次元空間でのコミュニケーションをとる、吉野・タイム・マシン・システム。
【請求項2】
請求項1において、図面、要約書、明細書によって示唆さる、システムのプロセスにおいて、時空情報空間を介してコミュニケーションをとることを特徴とするプロセス発明。
【請求項3】
請求項1において、図面、要約書、明細書によって示唆さる、システムのプロセスにおいて、言葉と音声と画像といった情報によって、現在が過去や未来とコミュニケーションをとるシステム。
【請求項4】
図面、要約書、明細書、外国語スペシフィケーションによって示唆さる吉野・タイムマシンを製造するプロセス・発明。
【請求項5】
吉野・タイム・マシン・ユニットによるセクション時間未来情報を獲得して、前記吉野・タイム・マシン・ユニットの複数の形態である吉野・タイム・マシン・システムによって、吉野・メモリア未来情報をリレーさせて、現在や過去に情報を送る吉野一虎システム。
拒絶理由通知書
適用条文 第29条柱書、第36条
この出願は、次の理由によって拒絶をすべきものです。これについて意見が
ありましたら、この通知書の発送の日から60日以内に意見書を提出してくだ
さい。
理 由
理由1
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2
号に規定する要件を満たしていない。
記
請求項各項の記載がおよそ明確なものということができない。以下はその例示である。
1.請求項1には、
「図面、要約書、明細書、外国語スペシフィケーションによって示唆さる、無限も含めた次元空間でのコミュニケーションをとる、吉野・タイム・マシン・システム。」
と記載されている。
しかし、上記「図面、要約書、明細書、外国語スペシフィケーションによって示唆さる」との、図面や明細書等の代用記載を含む記載では、本願請求項1発明が特定できない。同様のことは、他の同様の記載を有する請求項についても当てはまる。
2.請求項1には、
「・・・無限も含めた次元空間でのコミュニケーションをとる、吉野・タイム・マシン・システム。」
と記載されている。
P.2
しかし、上記記載では、「吉野・タイム・マシン・システム」の定義がよく分からない。
上記記載によれば、「吉野・タイム・マシン・システム」とは、「無限も含めた次元空間でのコミュニケーションをとる」ものと一応解することができなくもない。そうすると、「吉野・タイム・マシン・システム」とは、「無限を含めた」との記載はさておき、例えば「3次元空間」という「空間」内で、コミュニケーションをとるシステムであると解することができなくもない。
しかし一方、明細書をみると、たとえば、【0004】には、「・・・時空情報空間での、コミュニケーションを図るのが、吉野・タイム・マシン・システムである。」
と記載されており、この記載からは、「吉野・タイム・マシン・システム」とは、「時空」の間でコミュニケーションを図るシステムであると定義がなされているようにも見える。
そうすると、「吉野・タイム・マシン・システム」は、その定義が請求項の記載と明細書の記載で異なっているようにもみえ、その定義がよく分からない。
理由2
この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
記
明細書の記載が意味不明である。
そもそも請求項に係る発明の「吉野・タイム・マシン・システム」は、その定義は理由1にて説示するようによく分からないものであるが、仮に「吉野・タイム・マシン・システム」が、現在が過去や未来とコミュニケーションをとるシステムであって、「時空」の間でコミュニケーションを図るシステムであるとすると、明細書の記載では、なぜそれが可能になるのか、およそ理解をすることがで
きない。
さらに本願には、図面が1図ないし96図まで添付されているが、これがいずれも何を意味しているのか、明細書をみてもまるで分からない。
よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。
なお、この出願は、出願内容が著しく不明確であるから、請求項1-5については、新規性、進歩性等の特許要件についての審査を行っていない。
P.3
理由3
この出願の下記の請求項に係る発明は、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。
記
そもそも本願の請求項の記載が決して明確なものということができないことは、上記理由1にて説示のとおりであるが、仮に、請求項に記載される「吉野・タイム・マシン・システム」が、現在が過去や未来とコミュニケーションをとるシステムであって、「時空」の間でコミュニケーションを図るシステムであるとすると、請求項に記載されたものは特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。
特許法第29条第1項柱書では、「産業上利用することができる発明をしたものは、・・・その発明について特許を受けることができる」と規定し、ここでいう「発明」については、同法第2条第1項において「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義している。
一方、現在が過去や未来とコミュニケーションをとることが、自然法則ではなし得ないものであることはよく知られたことであって、それを利用した請求項1に記載されたものは、特許法第29条第1項柱書でいう発明に該当しない。
感想
発明該当性を理由とする拒絶理由です。タイムマシンは特許法上の発明の定義に該当しない、と説明されています。これも社内教育で特許法上の発明を説明する際に使いやすい題材に思います。
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