レピールまめ鉄の特許技術とは ── 大豆フェリチン鉄を公報から読み解く

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鉄サプリを選ぶとき、「なんとなく飲みやすそう」で決めていませんか。でも実は、鉄サプリの「形」によって、体への届き方がまったく違う可能性があるんです。レピールまめ鉄が使っているのは「フェリチン鉄」という形の鉄で、これを食品グレードで量産するための製法に特許が取られています。公報を読んでみたら、思っていたより手が込んでいたので、その中身を一緒に見ていきます。

この特許、何を権利にしているのか

特許第5896543号(特許権者:Slo-Iron, LLC ほか、発行日:2016年3月30日)の発明の名称は「フェリチンの単離、使用、および分析の方法」です。

請求項(権利として保護されている範囲のこと)は全部で15項ありますが、核心は「豆果からフェリチンを効率よく単離するプロセス」を権利化している点にあります。ざっくりまとめると、豆を溶かして可溶性・不溶性に分け、グリコシダーゼ(炭水化物を分解する酵素)で不純物を取り除き、最終的にフェリチンだけを濃縮する、という一連の製法です。

原料はダイズを中心とした豆果で、公報【0052】には黄色エンドウマメ、レンティル、ヒヨコマメ、インゲンマメなどの豆果群も対象として列記されています。

フェリチン鉄 ── 公報から見えてくること

フェリチン(ferritin)とは、体内で鉄を貯蔵する役割をもつタンパク質のことです。タンパク質が球状の「かご」を作り、その内部に鉄を閉じ込めた構造をしています。

公報【0003】にはこう書かれています。「このタンパク質ナノケージ内の鉄オキシバイオミネラルは、タンパク質合成用の鉄濃縮物であり、また抗酸化物質保護用のFe(II)/酸素/過酸化物のトラップ(フェントン化学の反応物)である」。フェントン化学の反応物、というのは要するに、鉄が起こす酸化反応を閉じ込めてしまえる構造、ということです。

【0046】にはさらに、「フェリチンのタンパク質外被は、使用者の腸を、鉄によって引き起こされるフリーラジカル化学作用(腸を刺激する恐れのある)から保護する」とあります。非ヘム鉄塩(硫酸鉄など一般的な鉄サプリに使われる形)と比べたときに、腸への刺激が少ない可能性を示した記述です。

植物由来のフェリチンには平均でタンパク質ケージ1つあたり約1000個の鉄原子が格納されており【0047】、ヒトでの吸収率はおよそ20〜30%と公報には書かれています【0048】。

図1は、グリコシダーゼ処理されたフェリチン抽出物中のデンプン・セルロース等の炭水化物が時間経過とともに分解されていく様子を示したグラフです(縦軸:還元糖量 mmol/mL、横軸:消化時間)。9時間→24時間→48時間と処理を続けるほど還元糖の量が増えており、炭水化物が段階的に除去されていく過程が読み取れます【0082】。炭水化物をこのようにしっかり除いてフェリチンだけを残す、というのがこの製法のキモになっています。

製造プロセスの確認

請求項1および公報【0007】【0081】〜【0084】に書かれた製造工程を、おおまかに追ってみます。

まず豆果(大豆など)を可溶性・不溶性に機械的に分離します。不溶性の画分には中性の塩類緩衝液(急激なpH変化を防ぐ溶液)を加えて溶かし直し、35,000×gを超える遠心分離で清澄化します【0081】。次に得られた可溶性の液をグリコシダーゼ酵素で処理して炭水化物(デンプンなど)を分解・除去し【0082】、サイズ選択膜での透析で小さな不純物をさらに取り除きます【0083】。最後に低温乾燥または限外濾過(分子の大きさで成分をこし分ける方法)でフェリチンを濃縮します【0083】。

公報には「今までのところ1000倍を超えるフェリチンの濃縮液がこのプロセスによって達成されている」と記されています【0084】。食品グレードの原料からここまで高純度に濃縮できることが、この特許の実用上の大きなポイントになっています。

「製造コスト」と「廃棄物活用」という2つのメリット

公報【0051】に「フェラチン単離のこの方法は、以前に述べられてきた方法よりも労働集約的でなく、また費用がかからない。植物からフェリチンを抽出する以前の方法は、植物性材料を液体窒素中で粉砕し、続いて抽出緩衝液を加え、濾過および遠心分離によって清澄化することを含む(Ragland,M等の論文、J Biol Chem.265:18339~44(1990))。しかしながらこのような方法は、この方法の労働集約的かつ費用がかかる性質のせいで研究のためにのみ適している。」と書かれています。

つまり以前は研究室レベルでしかできなかったフェリチン抽出を、この特許製法は食品・サプリメント向けの量産スケールで実現しています。液体窒素も高度な研究機器も使わず、機械的分離と酵素処理という手順で済む設計になっているのです。

面白いのはもう一点で、原料として「おから」などの加工廃棄流が使えると公報が示していることです【0055】。「大豆からの豆腐または豆乳の生産による廃棄流であることができる」と書かれており、製造コストを下げられる可能性がある設計になっています。まめ鉄のコストパフォーマンスの背景に、こうした製法上の工夫があるとも読めます。

フェリチン鉄について少し補足

フェリチン鉄は、一般的な非ヘム鉄(硫酸鉄、フマル酸第一鉄など)とは腸での吸収経路が異なると公報に書かれています。「フェリチン鉄は、非ヘム鉄サプリメントまたは食用肉由来のヘム鉄などの他の鉄供給源の吸収のメカニズムとは異なるメカニズムを使用して腸によって吸収される」【0049】。具体的には、先端側の腸細胞で受容体誘発エンドサイトーシス(受容体が受け取る形での細胞内取り込み)が起こるとされています【0054】。

現時点でレピールまめ鉄は機能性表示食品の届出を確認できていないため、消費者庁への届出に基づく表示の引用はできません。ただ、大豆由来フェリチン鉄を成分とする食品の機能性については国内外で研究が続けられており、鉄の供給をサポートする成分として知られています。

レピールまめ鉄について PR

レピールまめ鉄は、eileB(フェルビー)が販売する大豆由来フェリチン鉄サプリメントです。この特許製法によって得られた植物性フェリチン鉄を使用しています。

一般的な鉄サプリに使われる硫酸鉄などの鉄塩は原料自体は安価ですが、胃腸への刺激が出やすいとも言われます。対して今回読んだ特許製法で作るフェリチン鉄は、鉄をタンパク質のかごに閉じ込めたまま届ける構造になっているため、その製造工程にグリコシダーゼ処理・遠心分離・透析・低温乾燥という複数ステップが必要になります。ここに製造コストがかかる理由があります。「なぜ安い鉄サプリと違うのか」が気になる方は、このプロセスの差と考えると腑に落ちやすいかと思います。

女性は生理周期による鉄のロスがあるため、日常的に鉄の摂取を意識したい場面が多いもの。胃腸が弱めで鉄サプリが続かなかった、という方の選択肢の一つとして調べてみる価値がある製品だと思います。

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※本製品は食品であり、疾病の治療・予防を目的とするものではありません。

おわりに

公報を読む前は「フェリチン鉄」という言葉を成分表示としてしか見ていませんでしたが、「なぜ大豆から取り出せるのか」「そのために何が必要なのか」を追ってみると、ずいぶん手順が多くてていねいな製法だということがわかりました。以来、自分が鉄サプリを選ぶときは成分の形まで気にするようになっています。参考になれば幸いです。

参考:特許第5896543号(J-PlatPat)

有料エリア(note)

公報を読んで気になったのは「1000倍以上の濃縮」という数字が実施例の一言で出てくるところ。プロセスの条件詳細がほとんど開示されておらず、再現性の幅が気になりました。いいねと思ったらスキやコーヒー代をチャリンとください☕

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