備忘録としてまとめます。
参照元:https://www.jpo.go.jp/support/example/chizai_senryaku_2020.html
経営環境の変化
VUCAな環境下において持続的発展を使命とする企業が経営戦略を策定し、それを実行していく際には①~4に示す変化に留意して対応を進める必要がある。
不安定で変化が激しい(Volatility)、
先が読めず不確実性が高い(Uncertainly)
複雑で(Complexity)
曖昧模糊とした(Ambiguity)
① SDGsとESG投資への対応の必要性増加
SDGs:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
ESG:環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの頭文字を取ったもので、企業が長期的に成長するために重視すべき経営の観点
SDGsをいかにして企業内に取り込み、ESG投資を呼び込むことができるかが、企業の持続的発展に重要になっている。
②産業構造の変化
AI/IoT時代を迎え、従来無関係と考えられていた業界でも自動運転技術や工場の自動化などの対応に迫られている。
③企業価値における無形資産の拡大
知財やデータが急速に増してきており。無形資産に投資することが重要な経営課題になっている。

④グローバル化の進展
国内市場の成熟化に伴い海外市場に進出するきぎょが増えている。
各国のローカルニーズとグローバルな統一的対応のバランスなど、様々な経営判断が求められている。
企業を持続的に発展させていくための経営の方向性
イノベーションの創出 と 事業競争力の強化 を両立させる必要がある。そのために経営戦略を実行していく組織を強化し、基盤を強化する必要がある。

経営戦略視点から見た事例分類の概説
イノベーション創出による知財戦略
① オープンイノベーションによる事業創出に貢献する知財戦略
従来の社内だけの研究開発による新規事業の創出には限界をもたらすため、競合企業、スタートアップ、大学等の技術等を支社に取り込むこと等を通してイノベーションを起こし、事業を創出しようとするもの。
② プラットフォーム戦略の推進による事業創出に貢献する知財戦略
顧客などを同一の場所であるプラットフォームに乗せることで事業のエコシステムを創出するビジネスモデルであるプラットフォーム戦略の推進により事業を創出しようとするもの。
③ソリューションビジネスの事業創出に貢献する知財戦略
従来の物売りビジネスから脱却し、顧客の課題を解決すること売りビジネスに進化すること。
事業競争力強化に貢献する知財戦略
① コアコンピダンス強化に貢献する知財戦略
競合他社に対する競争優位性をもたらす自社能力のこと、これを技術として支えるのがコア技術。
② グローバル事業展開に貢献する知財戦略
形態としては輸出、ライセンシング、戦略的提携、買収、現地子会社の新設等。
③M&Aによる事業ポートフォリオの拡大に貢献する知財戦略
社内にない事業を社外から取り込むことで事業PFを拡大しようとすること。
組織・基盤の強化等に貢献する知財戦略
①ブランド価値向上に貢献する知財戦略
顧客に良いイメージを与える、事業を優位に進められるようになる、資金調達や人材確保が容易になるといった強化につながる。
②デジタルトランスフォーメーションDX等による事業基盤の強化に貢献する知財戦略
IT、データの利活用
③SDGsへの貢献に関わる知財戦略
国際社会からの企業の信頼を高める。
知財戦略視点から見た事例分類の概説
1. 知財網構築と管理に関わる知財戦略
これは、事業の基盤となる知財を形成し、適切に管理していくための戦略です。
| 項目 | 内容 |
| 顧客価値の発掘に関わる戦略 | 顧客の潜在的なニーズや、事業を取り巻く社会課題を把握し、それらを解決するための技術アイデアや、事業モデルを検討する段階から知財部門が関与します。出願戦略の方向性を決定し、事業の成功に不可欠な知財の創出を目指します。 |
| オープン&クローズ戦略の実行に関わる戦略 | どの技術情報やアイデアを**特許等で権利化して独占(クローズ)し、どの情報をあえて公開・標準化(オープン)**して業界への影響力や仲間を増やすか、事業戦略に応じて適切に使い分ける戦略です。 |
| 知財ミックスの推進に関わる戦略 | 事業の競争力を維持・強化するために、一つの権利に頼るのではなく、特許、意匠、商標、著作権、**営業秘密(ノウハウ)**など、複数の知的財産権や法的保護手段を組み合わせて多層的に保護する戦略です。 |
| グローバル知財管理推進に関わる戦略 | グローバルに展開する事業に対応するため、各国・地域の法制度や市場状況を考慮し、統一的な知財戦略のもとで、効率的かつ効果的な出願・維持・活用を行うための管理体制を構築する戦略です。 |
2. 知財(権)の活用に関わる知財戦略
これは、構築した知財を実際に事業上の利益に結びつけるための戦略です。
| 項目 | 内容 |
| 知財(権)の権利行使に関わる戦略 | 他社の模倣行為や侵害行為に対して、特許訴訟、差止請求、税関での水際措置などを効果的に行い、自社の独占的地位とブランドを守り、事業上の利益を確保するための戦略です。 |
| 知財(権)のライセンスアウトに関わる戦略 | 自社の知財を他社に有償で利用許諾(ライセンス)することで、新たな収益源を確保したり、業界のデファクトスタンダード形成を促したりする戦略です。 |
| 顧客・パートナーの知財リスクの低減に関わる戦略 | 事業連携を行う顧客やパートナー企業に対し、自社の知財権に関する情報を提供したり、他社の知財リスク(侵害リスク)を事前に調査・評価したりすることで、取引関係を円滑にし、事業全体の安全性を高める戦略です。 |
| 標準化戦略との連動に関わる戦略 | 技術が業界標準(デファクトスタンダード)となるよう働きかける活動と連動し、その標準に採用された技術について標準必須特許を取得・活用することで、市場における優位性を確立する戦略です。 |
| データの活用に関わる知財戦略 | AI・IoT時代において重要性が増しているデータを、知的財産の一つとして捉え、収集・蓄積・利用・提供に関するルールや契約、技術的な秘匿化など、競争力強化に繋がる活用方法を構築する戦略です。 |
3. 基盤整備に関わる知財戦略
これは、上記の活動を支える組織・情報基盤を強化するための戦略です。
| 項目 | 内容 |
| **知財情報等の分析・活用(IPランドスケープ)**に関わる戦略 | 企業の経営戦略や事業戦略の立案に役立てるため、特許情報を含む知財情報や市場データ、競合情報などを**分析・可視化(ランドスケープ)**し、客観的な根拠として経営層に提示・活用する活動です。 |
| 知財戦略遂行のための組織強化に関わる戦略 | 知財部門の専門性を高め、イノベーション創出に貢献できる人材を育成したり、知財活動の成果が適切に評価されるよう人事評価制度を構築したりするなど、知財戦略を組織全体で実行するための基盤を整える戦略です。 |






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