【データで見る特許】食品分野の特許資産規模ランキング

学ぶシリーズ

はじめに 特許資産規模ランキングとは

特許資産規模ランキングとは、パテント・リザルト(https://www.patentresult.co.jp/)が行っている、各社が保有する特許資産を質と量の両面から総合評価したランキングです。個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価で企業の特許資産規模を算出します。

今回は、公開されているデータをもとに、食品分野において特許に強みを持つ企業や、近年の動向を分析してみました。

評価方法

パテントリザルトが公開しているランキングのうち、2019年、2020年、2022年、2023年のデータを用いて、エクセルでグラフにしました(2021年のデータは見当たりませんでした。)。バブルチャートの作り方は、以下の動画などを参考にしました。

結果

1.特許件数について

まずは資産規模ランキングに記載の企業の、特許件数をグラフ化しました。
結果は以下の通りです。

CJ CHEILJEDANG465163
PHILIP MORRIS PRODUCTS239189
明治ホールディングス5987
アサヒグループホールディングス829613298
味の素89100122182
キユーピー5776
キリンホールディングス7982
サッポロホールディングス8194
サントリーホールディングス91146134156
東洋新薬4055
日清オイリオグループ6264
日清製粉グループ本社718587100
日本たばこ産業59112168200

サントリーなどの最大手企業が上位なのはさすがですね。
一方、キューピーや日清オイリオグループなどは2022,2023年はランク落ちし、代わりにキリン、サッポロ、PHILIP MORRIS PRODUCTS、東洋新薬などがランキング入りしています。

2.特許資産規模について

特許資産規模は、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を用いた評価です。審査の過程であったり、他社の引例に挙げられたりすることで得点が高くなるようです。

このバブルチャートは以下のようになります。

こちらもサントリーがダントツで強いことがわかります。一方、キリンやアサヒは特許件数ではPHILIP MORRIS PRODUCTSには大きく負けていましたが、特許資産規模でみるとそれほど差がないように見えます。

特許資産規模(pt)の性質上、特許数が多いほど特許資産規模が大きくなります。ですので、PHILIP MORRIS PRODUCTSは近年特許取得に力を入れているが、特許の質(ここでは1件あたりの特許資産規模の点数を意味し、大きいほど他社への牽制力が高いと解釈するものとします)の面では、キリンやアサヒに比べると劣る点があるといえそうです。

3.特許1件当たりの特許資産規模

最後に、特許1件当たりの資産規模を見てみます。

1件当たりの質で見てみると、件数や特許資産規模の総合点と比べると大きく異なってきますね。

まず、前段で考察した通り、PHILIP MORRIS PRODUCTSのバブルは小さくなりました。やはり出願件数は多いが、その質としてはランキング上位の他社に劣る点があるといえるかと考えます。

次に目につくのが、キリンHDです。これまで常に影響力が大きかったサントリーですが、1件当たりの質で見るとキリンHDとほぼ同じ大きさです。また、東洋新薬は2022年だけでいえば、一番大きなバブルです。東洋新薬は出願数が少ないながらも、その質は高いことが分かります。

まとめ

特許分析の練習がてら、エクセルでバブルチャートを作成してみました。
このように見える化すると、その実態が見えて面白いですね。

もちろん、他の評価点があったり、私の解釈が正しくなかったりするかと思います。

是非、皆さんの感想をコメントで教えてください!

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