PCT に基づく規則┃第四十五規則の二┃補充国際調査

PCT PCT に基づく規則

第四十五規則の二 補充国際調査

45の2.1 補充調査請求

(a)

出願人は、優先日から二十二箇月を経過する前にいつでも、国際出願について45の2.9の規定に基づき補充国際調査を管轄する国際調査機関が補充国際調査を行うことを請求することができる。その請求は、二以上の当該国際調査機関について行うことができる。

(b)

(a)の規定に基づく請求(「補充調査請求」)については、国際事務局に対して行うものとし、その請求書には、次の事項を記載する。
(ⅰ) 出願人及び、該当する場合には、代理人の氏名又は名称及びあて名、発明の名称、国際出願日並びに国際出願番号
(ⅱ) 補充国際調査を行うことを請求される国際調査機関(「補充調査のために指定された機関」)
(ⅲ) 国際出願が当該国際調査機関により認められていない言語によりされた場合には、12.3又は12.4の規定に基づき受理官庁に提出された翻訳文を補充国際調査の基礎とするか否か。

(c)

補充調査請求書には、該当する場合には、次のものを添付する。
(ⅰ) 国際出願がされた言語又は、該当する場合には、12.3又は12.4の規定に基づき提出された翻訳文の言語のいずれもが補充調査のために指定された機関が認める言語でない場合には、当該機関が認める言語による国際出願の翻訳文
(ⅱ) 補充調査のために指定された機関が要求する場合には、望ましくは、実施細則に定める基準を満たす電子形式による配列リストの写し

(d)

国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと国際調査機関が認めた場合には、補充調査請求書には、当該国際調査機関が特定する発明のうち第十七条(3)(a)に規定する主発明以外の一の発明に補充国際調査を減縮することを出願人が希望する旨の表示を記載することができる。

(e)

次の場合には、補充調査請求は行われなかつたものとみなし、国際事務局は、その旨を宣言する。
(ⅰ) (a)に規定する期間の満了後に受領した場合
(ⅱ) 補充調査のために指定された機関が、第十六条(3)(b)に規定する関係取決めにおいて当該調査を行う用意がある旨を記載していない場合又は45の2.9(b)の規定に基づき当該調査を管轄しない場合

45の2.2 補充調査取扱手数料

(a) 補充調査請求については、手数料表に掲げる国際事務局のための手数料(「補充調査取扱手数料」)を支払わなければならない。
(b) 補充調査取扱手数料は、手数料表に掲げる手数料の通貨又は国際事務局が定めるその他の通貨で支払う。当該その他の通貨により支払う額は、手数料表に掲げる額と端数のない数で等しい額であつて、国際事務局が決定したものとし、その額は、公報に掲載される。
(c) 補充調査取扱手数料は、補充調査請求の受理の日から一箇月以内に国際事務局に支払う。支払額は、支払の日に適用される額とする。
(d) 国際事務局は、45の2.4(e)(ⅰ)から(ⅳ)までに規定する書類が補充調査のために指定された機関に送付される前に、国際出願が取り下げられ、若しくは取り下げられたものとみなす場合又は補充調査請求が取り下げられ、若しくは45の2.1(e)の規定に基づき行われなかつたものとみなす場合には、補充調査取扱手数料を出願人に払い戻す。

45の2.3 補充調査手数料

(a) 補充国際調査を行う国際調査機関は、出願人に対し、当該調査の実施に係る手数料(「補充調査手数料」)を支払うことを要求することができる。
(b) 補充調査手数料は、国際事務局が徴収するものとし、16.1(b)から(e)までの規定を準用する。
(c) 補充調査手数料の支払期間及び支払額については、45の2.2(c)の規定を準用する。
(d) 国際事務局は、45の2.4(e)(ϸ)から(ϻ)までに規定する書類が補充調査のために指定された機関に送付される前に、国際出願が取り下げられ、若しくは取り下げられたものとみなす場合又は補充調査請求が取り下げられ、若しくは45の2.1(e)または45の2.4(d)の規定に基づき行われなかつたものとみなす場合には、補充調査手数料を出願人に払い戻す。
(e) 補充調査のために指定された機関は、45の2.5(a)の規定に従い当該機関が補充国際調査を開始する前に、45の2.5(g)の規定の基づき補充調査請求が行われなかつたものとみなす場合には、補充調査手数料を第十六条(3)(b)に規定する関係取決めで定める範囲において及び条件に従つて払い戻す。

45の2.4 補充調査請求書の点検、欠陥の補充、手数料の後払及び補充調査のために指定された機関への送付

(a) 国際事務局は、補充調査請求書を受理した後速やかに当該請求書が45の2.1(b)及び(c)(ϸ)に規定する要件を満たしているかどうかを点検するものとし、求めの日から一箇月の期間内に欠陥を補充するよう出願人に求める。
(b) 国際事務局は、45の2.2(c)及び45の2.3(c)の規定に基づく支払時期までに、補充調査取扱手数料及び補充調査手数料が完全に支払われていないと認める場合には、これらの手数料を賄うために必要な額及び(c)の規定に基づく後払手数料を求めの日から一箇月の期間内に国際事務局に支払うよう出願人に求める。
(c) (b)の規定に基づく求めに応じた手数料の支払については、後払手数料の国際事務局への支払を条件とする。当該後払手数料の額は、補充調査取扱手数料の額の五十パーセントとする。
(d) 出願人が、(a)又は(b)に規定する期間の満了前に、必要な補充書を提出しない場合又は後払手数料を含む支払うべき手数料の額を完全に支払わない場合には、補充調査請求は行われなかつたものとみなし、国際事務局は、その旨を宣言し、及び出願人に通知する。
(e) 国際事務局は、45の2.1(b)及び(c)(ϸ)、45の2.2(c)並びに45の2.3(c)に規定する要件が満たされていると認めた場合には、速やかに、補充調査のために指定された機関に次のものの写しを送付する。ただし、国際事務局が国際調査報告を受領した日又は優先日から十七箇月の期間の満了の時いずれか先に生ずる日より前に送付してはならない。
(ϸ) 補充調査請求書
(Ϲ) 国際出願
(Ϻ) 45の2.1(c)(Ϲ)の規定に基づき提出された配列リスト
(ϻ) 補充国際調査の基礎として用いられる12.3、12.4又は45の2.1(c)(ϸ)の規定に基づき提出された翻訳文
また、国際事務局は、次のものの写しを、(ϸ)から(ϻ)までに規定するものの写しの送付と同時に又は国際事務局が次のものを後に受領した後速やかに送付する。
(ϼ) 国際調査報告及び43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解
(Ͻ) 国際調査機関による第十七条(3)(a)に規定する追加手数料の支払の求め
(Ͼ) 40.2(c)の規定に基づく出願人による異議及び国際調査機関の枠組みにおいて設置される検査機関による当該異議についての決定
(f) (e)(ϼ)に規定する書面による見解は、それが英語又は補充調査のために指定された機関が認める言語によるものでない場合には、当該機関の請求により、国際事務局により又はその責任において英語に翻訳される。国際事務局は、翻訳の請求を受理した日から二箇月以内に、当該翻訳文の写しを当該機関に送付するものとし、同時に出願人に送付する。

45の2.5 補充国際調査の開始、基礎及び範囲

(a) 補充調査のために指定された機関は、45の2.4(e)(ϸ)から(ϻ)までに定める書類を受領した後速やかに補充国際調査を開始する。ただし、当該機関は、その選択により、45の2.4(e)(ϼ)に定める書類を当該機関が受領し、又は優先日から二十二箇月の期間が満了する時のいずれか先に生ずる時まで、調査開始を遅らせることができる。
(b) 補充国際調査については、補充調査のために指定された機関が調査を開始する前に国際調査報告及び43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解を利用することができる場合には、それらを十分に考慮に入れて、出願時における国際出願又は45の2.1(b)(Ϻ)若しくは45の2.1(c)(ϸ)に規定する翻訳文に基づいて行う。補充調査請求書に45の2.1(d)に規定する表示が記載されている場合には、補充国際調査は、45の2.1(d)の規定に従い出願人により特定された発明及び国際出願のうち当該発明に係る部分に減縮することができる。
(c) 補充国際調査については、第十七条(2)並びに13の3.1、第三十三規則及び第三十九規則を準用する。
(d) 補充調査のために指定された機関は、(a)の規定に基づき調査を開始する前に国際調査報告を利用することができる場合には、国際調査の対象とならなかつた請求の範囲を補充調査から除外することができる。
(e) 国際調査機関が第十七条(2)(a)に規定する宣言を行い、補充調査のために指定された機関が(a)の規定に基づく調査を開始する前に当該宣言を利用することができる場合には、当該補充調査のために指定された機関は、補充国際調査報告を作成しないことを決定することができる。この場合には、当該補充調査のために指定された機関は、その旨を宣言し、並びに出願人及び国際事務局に速やかに通知する。
(f) 補充国際調査は、少なくとも、第十六条(3)(b)に基づく関係取決めにおいて当該調査のために記載された資料について行う。
(g) 補充調査のために指定された機関が、45の2.9(a)に規定する限定又は条件(45の2.5(c)の規定によつて適用する第十七条(2)の規定に基づく限定を除く。)によつて調査の実施が完全に退けられると認める場合には、補充調査請求は、行われなかつたものとみなすものとし、当該機関は、その旨を宣言し、並びに出願人及び国際事務局に速やかに通知する。
(h) 補充調査のために指定された機関は、45の2.9(a)に規定する限定又は条件に従い、一部の請求の範囲のみに調査を減縮することを決定することができる。この場合において、補充国際調査報告には、その旨を表示する。

45の2.6 発明の単一性

(a) 補充調査のために指定された機関は、国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと認める場合には、次のことを行う。
(ϸ) 国際出願のうち、請求の範囲に最初に記載されている発明(「主発明」)に係る部分について、補充国際調査報告を作成すること。
(Ϲ) 国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないとする当該機関の見解を出願人に通知し、かつ、その見解の理由を明記すること。
(Ϻ) (c)に規定する期間内に当該見解に関して検査を請求できることを、出願人に通知すること。
(b) 補充調査のために指定された機関は、国際出願が発明の単一性の要件を満たしているか否かを検討するに当たり、当該機関が補充国際調査を開始する前に45の2.4(e)(Ͻ)及び(Ͼ)の規定に基づき受領した書類を十分に考慮に入れる。
(c) 出願人は、(a)(Ϲ)の規定に基づく通知の日から一箇月以内に、(a)に規定する見解を検査することを補充調査のために指定された機関に請求することができる。当該機関は、検査の請求について、当該機関が定める額の検査手数料の当該機関への支払を条件とすることができる。
(d) 出願人が(c)に定める期間内に補充調査のために指定された機関による見解に関して検査を請求し、かつ、必要な検査手数料を支払う場合には、当該機関は、当該見解に関して検査を行う。当該検査は、検査の対象となつている決定を行つた者のみによつて行つてはならない。当該機関は、次の場合には、それぞれ次のことを行う。
(ϸ) 当該機関が当該見解を完全に正当と認める場合には、その旨を出願人に通知すること。
(Ϲ) 当該機関が、当該見解について一部が不当であると認めるが、なお国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと認める場合には、その旨を出願人に通知し、及び必要に応じて(a)(ϸ)に定めるところによつて処理すること。
(Ϻ) 当該機関が当該見解を完全に不当と認める場合には、その旨を出願人に通知し、国際出願のすべての部分について補充国際調査報告を作成し、及び検査手数料を出願人に払い戻すこと。
(e) 検査の請求及び当該検査についての決定の書面については、出願人の請求により、補充国際調査報告とともに指定官庁に送達する。出願人は、第二十二条の規定に従つて要求される国際出願の翻訳文の提出とともにそれらの書面の翻訳文を提出する。
(f) 補充調査のために指定された機関が45の2.5(b)の第二文又は45の2.5(h)の規定に従い補充国際調査を減縮することを決定する場合には、(a)から(e)までの規定を準用する。この場合において、これらの規定中「国際出願」とあるのは、「国際出願のうち、45の2.1(d)の規定に基づき出願人が特定した発明に係る部分」又は「国際出願のうち、補充調査のために指定された機関が補充国際調査を実施する請求の範囲に係る部分及び国際出願のうち、補充調査のために指定された機関が補充国際調査を実施する部分」とそれぞれ読み替えるものとする。

45の2.7 補充国際調査報告

(a) 補充調査のために指定された機関は、優先日から二十八箇月以内に、補充国際調査報告を作成し、又は補充国際調査報告を作成しない旨を45の2.5(c)の規定によつて適用する第十七条(2)(a)の規定に基づいて宣言する。
(b) 補充国際調査報告、45の2.5(c)の規定によつて適用する第十七条(2)(a)の規定に基づく
宣言及び45の2.5(e)の規定に基づく宣言は、すべて国際公開の言語で作成する。
(c) 補充国際調査報告の作成に当たつては、(d)及び(e)の規定に従うことを条件として、43.1、43.2、43.5、43.6、43.6の2、43.8及び43.10を準用する。43.9を準用する(ただし、43.3、43.7及び44.2の引用は、存在しないものとみなす。)。第二十条(3)及び44.3を準用する。
(d) 補充国際調査報告には、文献が国際調査報告に引用されていない他の文献との関連で列記する必要がある場合を除くほか、国際調査報告に引用されている文献を列記することを必要としない。
(e) 補充国際調査報告には、次の説明を記載することができる。
(ϸ) 関連があると認められる文献の列記に関する説明
(Ϲ) 補充国際調査の範囲に関する説明
45の2.8 補充国際調査報告の送付及び効果
(a) 補充調査のために指定された機関は、補充国際調査報告又は補充国際調査報告を作成しない旨の宣言を、国際事務局及び出願人に各一通同一の日に送付する。
(b) (c)の規定に従うことを条件として、第二十条(1)並びに45.1、47.1(d)及び70.7(a)の規定は、補充国際調査報告が国際調査報告の一部であるものとして適用する。
(c) 国際予備審査機関は、書面による見解又は国際予備審査報告の作成を開始した後に補充国際調査報告を受領した場合には、書面による見解又は国際予備審査報告のために当該補充国際調査報告を考慮に入れることを必要としない。

45の2.9 補充国際調査を管轄する国際調査機関

(a) 国際調査機関は、補充国際調査を行う用意がある旨が第十六条(3)(b)に基づく関係取決めに記載されている場合には、当該取決めに規定する限定及び条件に従つて、補充国際調査を管轄する。
(b) 国際出願について第十六条(1)に基づき国際調査を行う国際調査機関は、当該国際出願について補充国際調査を管轄してはならない。
(c) (a)に規定する限定には、例えば、補充国際調査を行う対象となる事項に関する限定(45の2.5(c)の規定によって適用する第十七条(2)の規定に基づく限定を除く。)、特定の期間内に行う補充国際調査の総数に関する限定及び補充国際調査を一定の数を超える請求の範囲については行わない旨の限定を含むことができる。

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