商品で見る特許シリーズの第一弾です。身近な商品の特許を見ていくことで、「へえ~」ってなりましょう!
サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉の特許を見てみよう!
サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉の商品情報
・商品名:「サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉(赤)」「同〈ワインソーダ〉(白)」
・発売日:2022年2月15日
・メーカー:サントリーワインインターナショナル(株)
<背景・コンセプト>
今回、同ブランドより〈ワインソーダ〉(赤・白)を新発売します。昨年2月に「ワインサワー」カテゴリーとして発売した「サントリーワインサワー350ml缶」は、ソーダで割ったワインを気軽に楽しめる点などが幅広い年代のお客様にご好評いただきました。発売約1ヵ月半後の3月には年間販売計画を35万ケース※1に上方修正しましたが、年間の販売実績も修正計画を達成しました。
「ソーダで割ったワインを気軽に楽しめる」良さはそのままに、サワーではなく「ワインのソーダ割り」としての味わいを伝えていくために、「ワインサワー」から「ワインソーダ」に改め、「サントリーワインカフェ」ブランドにおいて展開します。
●中味・パッケージについて
中味は、独自技術によって発酵※2させたワインをブレンドすることで、フレッシュな香りと果実味あふれる味わいの厚みを実現しました。ソーダの割合にもこだわり、ワインの味わいを感じながら気持ちの良い飲み心地を感じられることを目指しました。
パッケージは、カフェが新商品や看板メニューを紹介するように、黒板をモチーフにし、「サントリーワインカフェ」ブランドによる新商品の登場感を表現しました。中央に配した「WINE SODA」「ワインソーダ」の文言で、「ワインのソーダ割り」としての中味の特長を訴求しました。
※2 香りや味に優れたワインの味わいを実現する発酵技術「高密度酒母醗酵技術」として、特許を取得(特許第6373579号)しています。(サントリーHPより)
◆マーカー・太字は本記事作成者が加筆した。
サントリーワインカフェ〈ワインソーダ〉の特許情報
公式HPより、”香りや味に優れたワインの味わいを実現する”技術で特許を取得していることがわかりました。また、本特許により “フレッシュな香りと果実味あふれる味わいの厚みを実現” したようです。
それでは、本特許をみてみましょう!
(11)【特許番号】特許第6373579号
(54)【発明の名称】果実酒の製造方法
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実酒の製造方法であって、
流加培養により、酒母培養菌液の酵母の菌密度が4×108個/ml以上となるまで酵母の培養を行う酒母培養工程、
得られた酵母の菌密度が4×108個/ml以上の酒母培養菌液を、本発酵液を含む発酵槽に、本発酵液の単位リットル当たり、5~100mLの量で添加して本発酵を行う本発酵工程、および
酵母を除去する工程、
を含む、果実酒の製造方法。
【請求項2】
果実酒がワインである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ワインがマストワインである、請求項2記載の方法。
【請求項4】以下省略
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、酒母培養を流加培養にて行うこと、即ち、流加培養による酒母培養を実施し、酒母培養終了液を本発酵液に添加して発酵酵母として用いることにより、果実酒製造が短時間で行え、かつ香味に優れた果実酒が得られることを見出し、本発明を完成した。
特許の権利範囲は「特許請求の範囲」に記載される事項です。
製造方法に関する特許でした。ポイントとしては酵母の菌密度でしょうか。
本手法(流加培養)を用いることで、従来(回分培養)よりも約40%発酵期間が短縮されたことが記載されていますね(【0046】)。
まとめ
私たちは、実はたくさんの特許に囲まれてるんですよね。
食品も例外ではありません。食べる物にも特許があると思えば、見方がかわってきませんか?
本当に “”フレッシュな香りと果実味あふれる味わいの厚みを実現” されているか、まずは確認することから始めてみるのもいいかもしれませんね!