【商品でみる特許】ヒアルモイストW（日清食品HD）

商品で見る特許の第３弾です。身近な商品の特許を見ていくことで、「へえ～」ってなりましょう！

今回は特許→商品で見ていきます。

はじめに

J-platpatというサイトでは特許を見ることができ、膨大な数の特許があることがわかります。2021年度は、24万件の特許が日本国内で出願されました。

特許は遠い存在だと思う人も多くいると思います。しかし、特許は見えないだけで、私たちの生活にありふれたものです。

業界にいる人間として、この業界の面白さがなかなか浸透していないことに、少しもどかしさを感じています。そこで今回は、特許の見方・とらえ方の一例として、「特許から商品をみる」ということをしてみようと思います。

日清食品ホールディングスの「ヒアルロン酸」に関する特許（6495869号）

日清食品の特許を見ていると、ヒアルロン酸に関するものがありました。

主観ですが、日清食品といえばカップ麺などの食品のイメージ、一方でヒアルロン酸は「肌にいい成分、化粧品や健康食品に含まれてそう」などのイメージがあり、興味を惹かれました。

なのでこの特許から商品を見ていきたいと思います。

特許の内容は、【特許請求の範囲】に記載されています。この特許は① ラクトバチルス・ガセリN320株（NITE BP-02287）、という微生物自体、②この微生物を含む飲食品、③この微生物を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤、という内容です。

ざっくり、「ヒアルロン酸産生を促進する微生物を研究していたら、ラクトバチルス・ガセリN320株（NITE BP-02287）という微生物自体を発見したのかな？」という印象です。

明細書（特許を説明する書面）を見てみると、以下のデータが載っていました。

他の菌と比較して、N320株のヒアルロン酸産生量が特に大きいことがわかります。

「ヒアルロン酸」に関する特許（6495869号）が使われている商品を探してみる

日清食品ホールディングスがヒアルロン酸産生促進に効果がある微生物に関する特許を持っていることがわかりました。でもこれだけみても、「この特許ってどんなふうに活用されてるの？」と思う人も多いのではないでしょうか。そこで、この特許が活用されている商品を見てみましょう。

検索エンジンで「日清食品　ヒアルロン酸　特許」で検索すると、以下の商品があることがわかりました。

＜商品情報：ヒアルモイストW＞

世界で唯一、“ヒアルロン酸を作らせる”機能が特許として認められた日清食品独自の「ヒアルモイスト乳酸菌」を、従来品（ヒアルモイスト発酵液）に比べて5倍以上も贅沢に配合した美容ドリンク。ヒアルモイスト乳酸菌液を20,000mg、ヒアルモイスト乳酸菌末を20mg、さらにコラーゲンも5,000mg配合。毎日飲みたくなるおいしい味わいはそのままに、カロリーは従来品と比べて40%カットした27kcal (1本あたり) です。 白ぶどう味。人工甘味料不使用。うるおいに満ち、明るく輝く毎日をぜひ実感してください。

*ヒアルロン酸の産生促進機能 が特許 (第6495869号) として認められた世界で唯一の乳酸菌 (ガセリ菌) (2021年10月26日 ナレッジワイヤ調べ)

日清食品HD　商品HPより引用

特許番号までばっちり書かれています。

ひとりごと

今回は日清食品HDの特許を見ていきました。

食品特許は身の回りにあふれているので、調べてみると面白いです。内容も機械の特許などに比べたらわかりやすくて馴染みやすいと思います。

知財が騒がれる昨今、業界に興味を持つきっかけになればと思います！