特許法│拒絶査定不服・訂正・無効審判・再審│ポイントのまとめ

特許法

審判手続きについて

条文拒絶理由異議理由無効理由
17条の2第3項違反(新規事項追加の補正(外国語書面出願の場合を除く))
17条の2第3項違反(外国語書面出願において手続補正書で誤訳訂正を行った場合)××
17条の2第4項違反(シフト補正)××
25条違反(権利の享有能力のない外国人)
29条違反(新規性、進歩性)
29条の2違反(拡大先願)
32条違反(特許を受けることができない発明)
38条違反(共同出願)×
39条1項~4項違反(先願主義)
条約違反
36条第4項1号違反(発明の詳細な説明の記載不備)
36条第4項2号違反(先行技術文献開示義務違反)××
36条第6項1号~3号違反(特許請求の範囲の記載不備)
36条第6項4号違反(省令違反)××
37条違反(単一性)××
外国語書面出願又は外国語特許出願の明細書等記載の原文記載からの逸脱
冒認出願×
後発的無効理由××
訂正要件違反××

審判請求の方式と補正

審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
 審判事件の表示
 請求の趣旨及びその理由

前条第一項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、当該補正が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 特許無効審判以外の審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由についてされるとき。
二 次項の規定による審判長の許可があつたものであるとき。
三 第百三十三条第一項(第百二十条の五第九項及び第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)の規定により、当該請求書について補正をすべきことを命じられた場合において、当該命じられた事項についてされるとき。
2 審判長は、特許無効審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号のいずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。
一 当該特許無効審判において第百三十四条の二第一項の訂正の請求があり、その訂正の請求により請求の理由を補正する必要が生じたこと。
二 前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。
3 前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が第百三十四条第一項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない。
4 第二項の決定又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない。

審判は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
2 前項の合議体の合議は、過半数により決する。
3 審判官の資格は、政令で定める。

審判長は、当事者又は参加人が法定若しくは指定の期間内に手続をせず、又は第百四十五条第三項の規定により定めるところに従つて出頭しないときであつても、審判手続を進行することができる。

審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
2 審判長は、前項の規定により当事者又は参加人が申し立てない理由について審理したときは、その審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
3 審判においては、請求人が申し立てない請求の趣旨については、審理することができない。

審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
2 審判の請求は、第百三十四条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
3 二以上の請求項に係る特許の二以上の請求項について特許無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
4 請求項ごとに又は一群の請求項ごとに訂正審判を請求したときは、その請求の取下げは、その全ての請求について行わなければならない。

審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
2 審判長は、特許無効審判においては、事件が審決をするのに熟した場合であつて第百六十四条の二第一項の審決の予告をしないとき、又は同項の審決の予告をした場合であつて同条第二項の規定により指定した期間内に被請求人が第百三十四条の二第一項の訂正の請求若しくは第十七条の五第二項の補正をしないときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
3 審判長は、必要があるときは、前二項の規定による通知をした後であつても、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審理の再開をすることができる。
4 審決は、第一項又は第二項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。

再審に関する規定

審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。

再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
 再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
 請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。
 取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。
 再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。
 第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。

〇再審を請求できる期間(173条2項)
再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。また、2項の「その期間」とは、「再審の理由をしった日から30日」のこと。つまり、再審の理由を知ってから30日+6月以内なら請求ができる。R2特実5で際どい出題あり。

第百十四条、第百十六条から第百二十条の二まで、第百二十条の五から第百二十条の八まで、第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項、第百五十四条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十六条第一項、第三項及び第四項の規定は、確定した取消決定に対する再審に準用する。
2 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条から第百六十条まで、第百六十七条の二本文、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審に準用する。
3 第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条、第百五十五条第一項から第三項まで、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十七条から第百六十八条まで、第百六十九条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第百七十条の規定は、特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審に準用する。
4 第百三十一条第一項及び第四項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項及び第四項、第百五十六条第一項、第三項及び第四項、第百五十七条、第百六十五条、第百六十七条の二、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、訂正審判の確定審決に対する再審に準用する。
5 民事訴訟法第三百四十八条第一項(審理の範囲)の規定は、再審に準用する。

<特許/延長登録無効審判で準用されていない規定>
・134条の2:訂正の請求

114条:●●●
116条:●●●
117条:●●●
118条:●●●
119条:●●●
120条:●●●
120条の2:●●●
120条の5:●●●
120条の6:●●●
120条の7:●●●
120条の8:●●●
131条第一項:●●●
131条の2第一項本文:●●●
132条第三項:●●●
154条:●●●
155条第一項:●●●
155条第三項:●●●
第156条第一項、第三項及び第四項:●●●

131条第一項:●●●
131条の2第一項本文:●●●
132条第一項、第二項及び第四項:●●●
133条:●●●
133条の2●●●
134条第一項、第三項及び第四項●●●
135条から第152条まで:省略
154条:●●●
155条第一項から第三項まで:●●●
156条第一項、第三項及び第四項:●●●
157条:審決
167条:審決の効力
168条:訴訟との関係
169条第一項、第二項、第五項及び第六項:審判における費用の負担
170条:費用の額の決定の執行力

取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
 当該発明の善意の実施
 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物の生産に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物を譲渡等又は輸出のために所持した行為
 特許が方法の発明についてされている場合において、善意に、その方法の使用に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為
 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、善意に、その方法により生産した物を譲渡等又は輸出のために所持した行為(ホ) 特許を無効にすべき旨の審決が確定し、その後再審によって特許権が回復した場合、第三者が善意でその特許に係る発明を業として実施しているときは、その特許を無効にすべき旨の審決が確定してから再審によって回復するまでの期間における実施が侵害となることはない。

取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。

手続きの却下・審決の取り消しに関する規定

審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
2 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
一 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
二 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
3 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。
4 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。

審判長は、審判事件に係る手続(審判の請求を除く。)において、不適法な手続であつてその補正をすることができないものについては、決定をもつてその手続を却下することができる。
2 前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明書を提出する機会を与えなければならない。
3 第一項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。

〇決定による却下と審決による却下
1.決定をもって却下
審判長が行う手続。したがって、一度補正命令が出た後、問題点が治らない(瑕疵が治癒しない)場合に、決定をもって却下となる。
2.審決却下
合議体による却下。不適法な審判請求で、補正がそもそもできない場合、補正の機会を与えない。補正の機会を与えない場合は、慎重に考えるために合議体で判断する。

裁判所は、第百七十八条第一項の訴えの提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
2 審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。

〇特許181条2項
特許無効審判の審決取消訴訟において、訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項についての審決の取消しの判決が確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決を取り消さなければならない。

共同審判に関する規定

二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。

同一の特許権について特許無効審判又は延長登録無効審判を請求する者が二人以上あるときは、これらの者は、共同して審判を請求することができる。
2 共有に係る特許権について特許権者に対し審判を請求するときは、共有者の全員を被請求人として請求しなければならない。
3 特許権又は特許を受ける権利の共有者がその共有に係る権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同して請求しなければならない。
4 第一項若しくは前項の規定により審判を請求した者又は第二項の規定により審判を請求された者の一人について、審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。

拒絶査定不服審判

2021年度知的財産権制度入門テキスト | 特許庁 より

全体像をしっかりもつこと!

拒絶査定不服審判とは

拒絶査定不服審判は、拒絶査定を受けた者がこれに不服であるときに、査定の当否を判断するために、さらに事件の審理をするものであり、法令の解釈、適用だけでなく、事実の認定をも見直す手続である(特§121①、意§46①、商§44①)。拒絶査定不服審判の請求の対象は、「拒絶をすべき旨の査定」である。

拒絶査定不服審判の請求

審判制度の概要と運用 ┃ 特許庁 

拒絶査定不服審判の審理の方式

特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。
2 前項に規定する審判以外の審判は、書面審理による。ただし、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。
3 審判長は、第一項又は前項ただし書の規定により口頭審理による審判をするときは、その期日及び場所を定め、当事者及び参加人に対し、期日の呼出しを行わなければならない。
4 民事訴訟法第九十四条(期日の呼出し)の規定は、前項の期日の呼出しに準用する。
5 第一項又は第二項ただし書の規定による口頭審理は、公開して行う。ただし、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるときは、この限りでない。
6 審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、経済産業省令で定めるところにより、審判官及び審判書記官並びに当事者及び参加人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によつて、第三項の期日における手続を行うことができる。
7 第三項の期日に出頭しないで前項の手続に関与した当事者及び参加人は、その期日に出頭したものとみなす。

〇拒絶査定不服審判は、原則、書面審理(145条2項)
原則書面審理によるが、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。

請求人適格と期間

拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
2 拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

〇拒絶査定不服審判の請求人適格
・特許出願についての拒絶査定(49条)をうけた者
・延長登録出願についての拒絶査定(67条の3)を受けた者

〇拒絶査定不服審判の請求期間
(原則)
拒絶査定の謄本の送達があつた日から三月以内
(例外)
拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内。

拒絶査定不服審判請求の方式審査

〇審判請求書の審査
拒絶査定不服審判の請求書に補正可能な方式違反がある場合には、審判長は請求人に対し補正を命じなければならない。補正指令に従わない場合等には審判請求は却下される。

〇審判事件の手続きの審査
以下の時は、審判長は、補正を命ずることができる。
 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき

審判長は、請求書が第百三十一条の規定に違反しているときは、請求人に対し、相当の期間を指定して、請求書について補正をすべきことを命じなければならない。
 審判長は、前項に規定する場合を除き、審判事件に係る手続について、次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、その補正をすべきことを命ずることができる。
 手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
 手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
 手続について第百九十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき
 審判長は、前二項の規定により、審判事件に係る手続について、その補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないとき、又はその補正が第百三十一条の二第一項の規定に違反するときは、決定をもつてその手続を却下することができる。
 前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。

拒絶査定不服審判請求の適法性審理

〇適法性審理

補正ができない程度に重大な不備がある審判の請求は、答弁書の提出機機会すら与えずに、審決をもって却下される。

審決による却下
審判請求が、以下に掲げる事由に該当するときは、補正を命じることなく、不適法な請求として審決をもって却下(審決却下)される。
(1) 審判請求期間外の請求
(2) 共同出願人の一部の者がした請求
(3) 共有者の一部の者を被請求人とした請求
(4) 特許権者でない者を被請求人とした請求
(5) 対象物のない請求
(6) 在外者が特許管理人によらないでした請求
(7) 除斥期間を経過した後の請求
(8) 商標権の不使用による取消しの審判において、商標権の設定の登録の日から3年以上経過していないものに対しての請求
(9) 一つの特許出願に対して重複してした拒絶査定不服審判請求(取下げ等により審判に係属しなくなった請求を除く)のうち最初のもの以外の請求
(改訂 H27.2)

審判便覧(第19版)45-19┃ 特許庁

審判長は、審判事件に係る手続(審判の請求を除く。)において、不適法な手続であつてその補正をすることができないものについては、決定をもつてその手続を却下することができる。
 前項の規定により却下しようとするときは、手続をした者に対し、その理由を通知し、相当の期間を指定して、弁明書を提出する機会を与えなければならない。
 第一項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を付さなければならない。

不適法な審判の請求であつて、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる

〇不適法な手続きの却下とは(特許135条)
特許無効審判において、訂正の請求が認容されて削除されることとなった請求項に対してされていた特許無効審判の請求は、その特許無効審判の請求が不適法な請求であるため、却下される。

審判請求書について方式違反がある場合又は審判請求についての手数料が納付されていないときは、一三三条に規定するところにより審判長が決定をもって請求書を却下するわけであるが、その他についての請求要件が欠けており補正することができない場合は、本条の規定により合議体としての審判官が審決をもって却下し、しかもこの場合は一三四条一項に規定する答弁書提出の機会を与える必要もない。本条にいう「補正をすることができないもの」とは、例えば請求期間経過後の請求または請求適格のない者の請求等をいう。

実体審理

審査においてした手続は、拒絶査定不服審判においても、その効力を有する。

第五十三条の規定は、拒絶査定不服審判に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
2 第五十条及び第五十条の二の規定は、拒絶査定不服審判において査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。
3 第五十一条、第六十七条の三第二項から第四項まで及び第六十七条の七第二項から第四項までの規定は、拒絶査定不服審判の請求を理由があるとする場合における当該審判について準用する。

審査官は、特許出願が第三十六条第四項第二号に規定する要件を満たしていないと認めるときは、特許出願人に対し、その旨を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えることができる。

審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

〇拒絶理由通知を受けることなく拒絶をすべき旨の査定がされることはない(特50条)
例えば、48条の7の通知を受けた後に拒絶の査定がなされる、などはない。

〇審判請求時の補正も却下される(特許159条2項)
拒絶査定不服審判の請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正があった場合において、当該補正が特許法第 17条の2第3項~第6項の規定に違反しているときは、審判請求人に対して意見書を提出する機会が与えられることなく、その補正が却下され、審判の請求は成り立たない旨の審決がされる場合がある。

審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて第五十条の二の規定による通知をした場合に限る。)において、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項から第六項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない。

拒絶査定不服審判の請求の取り下げ・拒絶査定の取り消し

審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
 審判の請求は、第百三十四条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
 二以上の請求項に係る特許の二以上の請求項について特許無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。
 請求項ごとに又は一群の請求項ごとに訂正審判を請求したときは、その請求の取下げは、その全ての請求について行わなければならない。

〇取り下げできる時期と取下げ不可の条件(特155条、実39条の2)
審決が確定するまでは、取り下げることができる。また、答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ取り下げることができない。
なお、実案も答弁書の提出後は相手方の承認がなければ取り下げることはできないが、無効審判請求後に、実案に基づく特許出願がされた場合は、相手方の承諾なく取り下げることができる。

拒絶査定不服審判において査定を取り消すときは、さらに審査に付すべき旨の審決をすることができる。
2 前項の審決があつた場合における判断は、その事件について審査官を拘束する。
3 第一項の審決をするときは、前条第三項の規定は、適用しない。

前置審査

審査前置制度は拒絶査定に対する審判において拒絶査定がくつがえるものの大部分が拒絶査定後に明細書等について補正があったことによるものであるという実情に鑑み、そのような事件の処理をその拒絶査定をした審査官に再審査させることにより、審判官が処理すべき事件の件数を減らし、審判の促進をはかろうとするものである。本条前段は、拒絶査定に対する審判事件のうち審判請求と同時に明細書等について補正があったものについてのみ審査官が審査を行う旨を定めている。
従来は、拒絶査定に対する審判事件は、すべて審判官の合議体が審判すべきものとされている。その場合、審判官は、出願内容の理解から取り組まなければならず、そのため審判事件の処理に長時間を要している。ところが、審判請求の際、明細書等について補正が行われている場合は、査定をしたときとは出願の内容が変わっており、もとの審査官が見ればすぐに特許してもよいような場合もある。そこで、審判請求の際に明細書等について補正が行われた場合は審判の前にもとの審査官に再び審査をさせれば、もとの審査官がもっているその出願に関する知識を活用し、その出願内容の理解やサーチに要する時間を節約でき、事件を簡易迅速に処理することができるのである。
前置の審査は、「その請求を審査」するとあるけれども、審判請求書等の方式等を審査するのではなく、その請求に係る特許出願を再審査するだけである。
前置の審査を担当するのは、当該拒絶査定をした審査官である

〇前置審査の結論(164条)
前置審査の結論は、特許査定或いは特許庁長官への報告のいずれかしかない。

★前置審査の結論★
●補正が適法な場合
①補正後の発明を特許にできる⇒原査定を取り消し特許査定とする。
②補正後の発明を特許にできない⇒新たな拒絶理由については拒絶理由通知、拒絶査定の理由が未解消であれば長官報告

●補正が不適法な場合
③補正前の発明を特許にできる⇒補正却下とし、原査定を取り消し、特許査定とする。
④補正前を特許にできない⇒審査結果を長官に報告し、審判に継続する。

〇前置審査がない事例
・延長登録出願の拒絶査定に対する不服審判請求(明細書などの補正ができないため)
・拒絶査定不服審判の請求時に、明細書等に補正がない場合
⇒仮に、実験証明書等が提出されたとしても、明細書等に補正がなければ前置審査は行われない。

特許庁長官は、拒絶査定不服審判の請求があつた場合において、その請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正があつたときは、審査官にその請求を審査させなければならない。

第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
 第五十条及び第五十条の二の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。
 第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求を理由があるとする場合に準用する。

後段は、審判請求と同時の補正を前置審査において却下できること、前置審査においては拒絶査定不服審判の請求前に行った補正を却下することができないことを規定している。
 (159条1項で準用する53条、2項で準用する50条の読み替えと同じ)

審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。
2 審査官は、前項に規定する場合を除き、前条第一項において準用する第五十三条第一項の規定による却下の決定をしてはならない。
3 審査官は、第一項に規定する場合を除き、当該審判の請求について査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。

〇前置審査では、長官報告する(特許査定できない)場合、補正を却下できない(164条2項)
2項は拒絶を維持する場合、審査官は補正を却下することはできないことを規定している。

二項は、審査官が特許をすべき旨の査定をする場合以外は、補正についての却下の決定をしてはならない旨を定めている。補正却下の決定は出願の拒絶と結びつくべきものである。しかも、決定が行われた後に特許をすべき旨の審決が出ることになるのは不合理である。そこでこのような決定は行わないこととしたのである。
三項は、審査官は、特許をすべき旨の査定をしない場合、補正によっても拒絶理由が解消していないとき、又は補正によって拒絶理由は解消したが新たな拒絶理由があるときは、拒絶をすべき旨の査定をすることなく、審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない旨を定めている。拒絶をすべき旨の査定等をすると審判請求人は再度審判請求しなければならず過度の負担をかけることになるからである。この場合の報告は、特許をすべき旨の査定をしない理由を簡潔に示したものであり、審判官の審理の参考に供しようとするものである。

工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第21版〕┃特許庁

(メモ)
前置審査では、特許査定or長官報告のいずれかであり、前置審査において拒絶査定がでることはない。

審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

審査官は、前条の規定により特許出願について拒絶の理由を通知しようとする場合において、当該拒絶の理由が、他の特許出願(当該特許出願と当該他の特許出願の少なくともいずれか一方に第四十四条第二項の規定が適用されたことにより当該特許出願と同時にされたこととなつているものに限る。)についての前条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知(当該特許出願についての出願審査の請求前に当該特許出願の出願人がその内容を知り得る状態になかつたものを除く。)に係る拒絶の理由と同一であるときは、その旨を併せて通知しなければならない。

訂正審判

訂正審判│概要と各種規定

特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 特許請求の範囲の減縮
二 誤記又は誤訳の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
2 訂正審判は、特許異議の申立て又は特許無効審判が特許庁に係属した時からその決定又は審決(請求項ごとに申立て又は請求がされた場合にあつては、その全ての決定又は審決)が確定するまでの間は、請求することができない。
3 二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに第一項の規定による請求をすることができる。この場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。
4 願書に添付した明細書又は図面の訂正をする場合であつて、請求項ごとに第一項の規定による請求をしようとするときは、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項の全て(前項後段の規定により一群の請求項ごとに第一項の規定による請求をする場合にあつては、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て)について行わなければならない。
5 第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(同項ただし書第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面))に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
6 第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
7 第一項ただし書第一号又は第二号に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。
8 訂正審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。ただし、特許が取消決定により取り消され、又は特許無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

〇訂正審判の請求の単位は特許権 or 一群の請求項(126条3項)
同項前段は、訂正審判の請求を特許権単位のみならず、請求項が二以上ある場合には請求項単位に請求できることを示したものである。(青本126条)

審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
一 当事者及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審判事件の表示
三 請求の趣旨及びその理由
2 特許無効審判を請求する場合における前項第三号に掲げる請求の理由は、特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならない。
3 訂正審判を請求する場合における第一項第三号に掲げる請求の趣旨及びその理由は、経済産業省令で定めるところにより記載したものでなければならない。
4 訂正審判を請求するときは、請求書に訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を添付しなければならない。

特許無効審判の被請求人は、前条第一項若しくは第二項、次条、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 特許請求の範囲の減縮
二 誤記又は誤訳の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
2 二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに前項の訂正の請求をすることができる。ただし、特許無効審判が請求項ごとに請求された場合にあつては、請求項ごとに同項の訂正の請求をしなければならない。
3 前項の場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。
4 審判長は、第一項の訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を受理したときは、これらの副本を請求人に送達しなければならない。
5 審判官は、第一項の訂正の請求が同項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は第九項において読み替えて準用する第百二十六条第五項から第七項までの規定に適合しないことについて、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。この場合において、当該理由により訂正の請求を認めないときは、審判長は、審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
6 第一項の訂正の請求がされた場合において、その審判事件において先にした訂正の請求があるときは、当該先の請求は、取り下げられたものとみなす。
7 第一項の訂正の請求は、同項の訂正の請求書に添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の五第二項の補正をすることができる期間内に限り、取り下げることができる。この場合において、第一項の訂正の請求を第二項又は第三項の規定により請求項ごとに又は一群の請求項ごとにしたときは、その全ての請求を取り下げなければならない。
8 第百五十五条第三項の規定により特許無効審判の請求が請求項ごとに取り下げられたときは、第一項の訂正の請求は、当該請求項ごとに取り下げられたものとみなし、特許無効審判の審判事件に係る全ての請求が取り下げられたときは、当該審判事件に係る同項の訂正の請求は、全て取り下げられたものとみなす。
9 第百二十六条第四項から第八項まで、第百二十七条、第百二十八条、第百三十一条第一項、第三項及び第四項、第百三十一条の二第一項、第百三十二条第三項及び第四項並びに第百三十三条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の場合に準用する。この場合において、第百二十六条第七項中「第一項ただし書第一号又は第二号」とあるのは、「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第一項ただし書第一号又は第二号」と読み替えるものとする。


〇126条4項の規定
願書に添付した明細書又は図面の訂正をする場合であつて、請求項ごとに第一項の規定による請求をしようとするときは明細書又は図面の訂正に係る請求項の全てについて訂正審判を請求する(126条4項)。126条4項に違反した場合は、131条3項に違反するものとされ、補正命令の対象となる(133条1項)。
※131条3項の「経済産業省令」:特許法126条3項(一群の請求項)と同条4項に適合するように記載しなければならない(特許法施行規則46条の2)。

〇特許無効審判における訂正の請求と独立特許要件の規定(126条7項・134条の2第9項)
「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第一項ただし書第一号又は第二号」に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

〇訂正の請求時に承諾が必要な者(134条の2第9項)
特許権者は、専用実施権者、質権者及び第35条第1項〔職務発明の通常実施権〕、第77条第4項〔専用実施権についての通常実施権〕若しくは第78条第1項〔許諾による通常実施権〕の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、特許無効審判において訂正の請求をすることができる。(127条準用)

実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正を一回に限りすることができる。
一 第十三条第三項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から二月を経過したとき。
二 実用新案登録無効審判について、第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。
2 前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一 実用新案登録請求の範囲の減縮
二 誤記の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
3 第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4 第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。
5 特許法第四条の規定は、第一項第一号に規定する期間に準用する。
6 第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。
7 実用新案権者は、第一項の訂正をする場合のほか、請求項の削除を目的とするものに限り、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができる。ただし、実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第四十一条において準用する特許法第百五十六条第一項の規定による通知があつた後(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後更に同条第一項の規定による通知があつた後)は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正をすることができない。
8 第一項及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。
9 第一項又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。
10 第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面を添付しなければならない。
11 第一項又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面により実用新案登録出願及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。
12 第一項又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。
13 特許法第百二十七条及び第百三十二条第三項の規定は、第一項及び第七項の場合に準用する。

訂正拒絶理由通知

審判長は、訂正審判の請求が第百二十六条第一項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は同条第五項から第七項までの規定に適合しないときは、請求人にその理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

無効審判

趣旨│特許法123条
権利に瑕疵がある場合、権利者には不当な権利を与え、本来何人も当該発明等について実施、使用できるにもかかわらず、それを禁止することになり、産業の発達を妨げるなどの弊害を発生させることがある。このような場合には、その権利を無効とし、権利を初めから存在しなかった、又は後発的無効理由に該当するに至った時から存在しなかったとさせる必要があるので、これに応じて設けられたものが無効審判制度である。
一項中一号は、平成五年の一部改正において設けられた規定であり、従来は、要旨を変更する補正について、それが設定登録後に認められたときは、出願日を繰り下げる(旧四〇条)のみで特許の無効理由とはされていなかったが、平成五年の一部改正において、従来の四〇条を廃止するとともに、本号において特許の無効理由として規定した。この結果、新規事項を追加する不適法な補正の取扱いに関して、対世的効力が与えられるともに、制度の国際的調和が図られることとなった。

審判便覧(第19版) | 特許庁

特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。
 その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたとき(その特許が第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
 その特許が条約に違反してされたとき。
 その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとき。
 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
 その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者の特許出願に対してされたとき(第七十四条第一項の規定による請求に基づき、その特許に係る特許権の移転の登録があつたときを除く。)。
 特許がされた後において、その特許権者が第二十五条の規定により特許権を享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。
 その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が第百二十六条第一項ただし書若しくは第五項から第七項まで(第百二十条の五第九項又は第百三十四条の二第九項において準用する場合を含む。)、第百二十条の五第二項ただし書又は第百三十四条の二第一項ただし書の規定に違反してされたとき。
 特許無効審判は、利害関係人(前項第二号(特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に該当することを理由として特許無効審判を請求する場合にあつては、特許を受ける権利を有する者)に限り請求することができる。
 特許無効審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。
 審判長は、特許無効審判の請求があつたときは、その旨を当該特許権についての専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。

実用新案登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その実用新案登録を無効にすることについて実用新案登録無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。
一 その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき。
二 その実用新案登録が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条、第三条、第三条の二、第四条、第七条第一項から第三項まで若しくは第六項又は第十一条第一項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされたとき(その実用新案登録が同項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
三 その実用新案登録が条約に違反してされたとき。
四 その実用新案登録が第五条第四項又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない実用新案登録出願に対してされたとき。
五 その実用新案登録がその考案について実用新案登録を受ける権利を有しない者の実用新案登録出願に対してされたとき(第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く。)。
六 実用新案登録がされた後において、その実用新案権者が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条の規定により実用新案権を享有することができない者になつたとき、又はその実用新案登録が条約に違反することとなつたとき。
七 その実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面の訂正が第十四条の二第二項から第四項までの規定に違反してされたとき。
2 実用新案登録無効審判は、何人も請求することができる。ただし、実用新案登録が前項第二号に該当すること(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は前項第五号に該当することを理由とするものは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者に限り請求することができる。
3 実用新案登録無効審判は、実用新案権の消滅後においても、請求することができる。
4 審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつたときは、その旨を当該実用新案権についての専用実施権者その他その実用新案登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。

審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。
2 審判長は、前条第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りでない。
3 審判長は、第一項若しくは前項本文の答弁書を受理したとき、又は実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第十四条の二第一項若しくは第七項の訂正があつたときは、その副本を請求人に送達しなければならない。
4 審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。
5 審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつた場合において、その請求後にその実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その旨を請求人及び参加人に通知しなければならない。

審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。
2 審判の請求は、前条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない。
3 審判の請求人が前条第五項の規定による通知を受けたときは、前項の規定にかかわらず、その通知を受けた日から三十日以内に限り、その審判の請求を取り下げることができる。
4 特許法第四条の規定は、前項に規定する期間に準用する。この場合において、同条中「特許庁長官」とあるのは、「審判長」と読み替えるものとする。
5 審判の請求人がその責めに帰することができない理由により第三項に規定する期間内にその請求を取り下げることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求を取り下げることができる。
6 二以上の請求項に係る実用新案登録の二以上の請求項について実用新案登録無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。

規定拒絶
理由
異議
理由
無効
理由
第17条の2第3項:●●●
第17条の2第3項 :●●●××
第17条の2第4項:●●●××
第25条:●●●
第29条:●●●
第29条の2:●●●
第32条:●●●
第38条:●●●74条の規定に基づく特許権移転登録があったときを除く×
第39条1~4項:●●●
●●●
第36条4項1号:●●●の記載不備
第36条4項2号:●●●違反 ××
第36条6項1号~3号:●●●の記載不備
第36条6項4号:●●●違反 ××
第37条:●●● ××
●●●
●●●(74条の規定に基づく特許権移転登録があったときを除く)×
●●●××
●●●××

〇請求人適格(123条)
①利害関係人としては、「特許権侵害で訴えられている者」、「類似の特許を有する者」、「特許発明と同種の製品を製造する者」等が認められている(青本21)。
②共同出願要件違反の出願(38条)及び冒認出願(123条1項6号)については、専ら権利の帰属が問題となっているため、特許を受ける権利を有する者(真の権利者)に限り無効審判を請求できる。

〇無効理由ではない規定(123条1項各号)
①第 36 条第6項第4号(特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件)
②第 37 条(発明の単一性の要件)
③※外国語書面出願に係る特許に対しては、特許法第 17 条の2第3項(新規事項の追加の禁止)

特許無効審判の被請求人は、前条第一項若しくは第二項、次条、第百五十三条第二項又は第百六十四条の二第二項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
 特許請求の範囲の減縮
 誤記又は誤訳の訂正
 明瞭でない記載の釈明
 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
 二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに前項の訂正の請求をすることができる。ただし、特許無効審判が請求項ごとに請求された場合にあつては、請求項ごとに同項の訂正の請求をしなければならない。
 前項の場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。
 審判長は、第一項の訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面を受理したときは、これらの副本を請求人に送達しなければならない。
 審判官は、第一項の訂正の請求が同項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は第九項において読み替えて準用する第百二十六条第五項から第七項までの規定に適合しないことについて、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。この場合において、当該理由により訂正の請求を認めないときは、審判長は、審理の結果を当事者及び参加人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えなければならない。
 第一項の訂正の請求がされた場合において、その審判事件において先にした訂正の請求があるときは、当該先の請求は、取り下げられたものとみなす。
 第一項の訂正の請求は、同項の訂正の請求書に添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について第十七条の五第二項の補正をすることができる期間内に限り、取り下げることができる。この場合において、第一項の訂正の請求を第二項又は第三項の規定により請求項ごとに又は一群の請求項ごとにしたときは、その全ての請求を取り下げなければならない
 第百五十五条第三項の規定により特許無効審判の請求が請求項ごとに取り下げられたときは、第一項の訂正の請求は、当該請求項ごとに取り下げられたものとみなし、特許無効審判の審判事件に係る全ての請求が取り下げられたときは、当該審判事件に係る同項の訂正の請求は、全て取り下げられたものとみなす。
 第百二十六条第四項から第八項まで、第百二十七条、第百二十八条、第百三十一条第一項、第三項及び第四項、第百三十一条の二第一項、第百三十二条第三項及び第四項並びに第百三十三条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の場合に準用する。この場合において、第百二十六条第七項中「第一項ただし書第一号又は第二号」とあるのは、「特許無効審判の請求がされていない請求項に係る第一項ただし書第一号又は第二号」と読み替えるものとする。

〇特許無効審判における訂正の目的(134条の2)
一  ●●●
二  ●●●
三  ●●●
四  ●●●

〇訂正の請求が可能な期間(134条の2)
●●●(134条1項及び2項)
●●●(134条の3)
●●●(153条2項)
●●●(164条の2第2項)

〇外国語書面出願における誤記誤訳の訂正の請求の範囲(特許法134条の2第9項)
外国語書面出願に係る特許の特許無効審判において、誤記又は誤訳の訂正を目的として訂正を請求する際には、その訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面とみなされる外国語書面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。(126条5項準用)

改訂6版 解説特許法-弁理士本試験合格を目指して-(著:江口 裕之) 図11-4-1を参考に作成

審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
2 審判長は、特許無効審判においては、事件が審決をするのに熟した場合であつて第百六十四条の二第一項の審決の予告をしないとき、又は同項の審決の予告をした場合であつて同条第二項の規定により指定した期間内に被請求人が第百三十四条の二第一項の訂正の請求若しくは第十七条の五第二項の補正をしないときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
3 審判長は、必要があるときは、前二項の規定による通知をした後であつても、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審理の再開をすることができる。
4 審決は、第一項又は第二項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。

特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。ただし、特許が第百二十三条第一項第七号に該当する場合において、その特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、その特許が同号に該当するに至つた時から存在しなかつたものとみなす。

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